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乾燥/電顕前処理を臨界で。危なくない?

臨界。超臨界。名前からして怖い感じですが、

「臨界」には、2つの意味があり、


1)核分裂が連続的に起きていている状態。

 放射線が出て、原発のニュースで聞く方。(制御を超えると事故になって怖い)


2)物質の3態(固体、液体、気体)の液体と気体の境界が無くなる状態。

 爆発や放射線とは関係ない、物質の1形態。


今回ご紹介するのは、(2)の方を使ってサンプルを乾燥させたり、 電顕の前処理(脱水乾燥)をしよう、という話。


物質は、加熱していくと液体になり、さらに加熱すると気体になる。

水は簡単だし、金属も数百、数千度と加熱すると液体になるのでイメージしやすい。




液体を加熱して気体になる時に、圧力が掛かっていると

(つまり、密閉状態で加熱していると)

液体でも気体でもない「超臨界流体」という物になるのです。

その境界が臨界点


物質それぞれに、臨界点は、何度・何気圧という性質があり、

水は(大気圧下では)、0度で固体→液体、 100度で液体→気体、

約375度、217気圧が臨界点で、これを超えると超臨界水になります。


この液体と気体の境目を越えた超臨界流体という状態

どんな感じかイメージしずらいのですが、、、

気体の様に細かい隙間に入り込む力と、液体の物を溶かす性質を併せ持っている。


この性質を使った産業応用などの研究が色々されていますが、

超臨界水は、温度と圧力が非常に高いので、

より手軽な物質として、31度 74気圧で超臨界流体になる二酸化炭素での応用が先行しています。





そんな臨界二酸化炭素を、乾燥や電顕前処理に活用しているのが、

Samdri(サムドリ)というアメリカ製の製品。


電顕は真空状態で観察するため、サンプルに水分が含まれていると観察できないため

事前に「脱水・乾燥」させる必要があります。 自然乾燥や熱などで乾燥させると水分が多い物の場合、変形してしまうので、

一般的にはアルコール類で水を置換して、アルコールを気化させるのですが、

けっこう手間がかかる。





この装置は、アルコールと液化炭酸ガスの関係に着目。 サンプル中の水分をアルコールに置換するところまでは同じですが、

そのサンプルを、アルコールで満たされた金属製の耐圧容器内に沈める。

サンプルとアルコールが入った圧力容器に液化炭酸(液体の二酸化炭素)を導入。 液体のアルコールと液体の二酸化炭素は、そのままでは混ざりませんが、

31度以上に加熱し臨界状態にすると、超臨界二酸化炭素とアルコールは混和するのです!

その後、ゆっくりと二酸化炭素を排出することで、一緒にアルコールも排出でき、

元々サンプル内にあった水分が完全に除去されるしくみです。





この方法により、MEMSの様な微細な加工物はもちろん、

細胞微生物さらには、ゲルの様な物まで外観形状を維持したまま乾燥できる。







元々は半導体(ウエハー)の洗浄後の乾燥用ですが、

細胞などの電顕前処理にも使えるため、応用範囲が広がっています。




臨界っていう名前が放射線が出る様な誤解を招きますが、 二酸化炭素の場合は、31度 74気圧。 居酒屋のビアサーバに繋がれている緑の液化炭酸ベンベ。 夏場には中で超臨界流体になっている可能性があるほど、身近な現象です。

より詳しい資料請求やデモ依頼は下記よりお申し付けください!


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